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<サル&プチの戯言 10000HIT’S記念企画>
「私は愛に生きます」

<サルの戯言> 2004年12月30日(木)施行

12月30日、プチは半年間の転勤の為、ここを去ります。
いつもの笑顔はもう隣にありません。怒鳴り声も、泣き声もありません。
部屋には、ただキーボードを打ちつける音だけ。
今はもうプチが出発するのを見守る事しかできません。

さみしいです。


ここまでの10数年に及ぶ交際期間の中で、ウチらは2度の遠距離を経験しました。

1回目は、私が隣県へ半年転勤した時。
企業の生き残りを賭けた戦いに破れ、工場を閉鎖。200名いた同僚は一斉に解雇され、同志10名で一旦本社へ身を寄せ、満を持した時です。無論、当初の期間は未定。
結局は情勢が好転し、半年で再起を図れましたが、その間、布団で寝たことはありません。会社に常に泊まりこみし、1日2食のコンビニ弁当で、あとは技術を磨くためだけの生活。
それでも、プチに会うために毎週末帰省してました。
今思うと、無敵だったと思います。今は、もうそんな体力はありません。

2回目は、プチが東京へ半年。
今から5年前に始まった、”観光・文化立県宣言”という県での方針のせいです。観光による収入UPを考え、他県にPRする場を設け、広く青森県をアピールしよう!という運動です。地元が大好きなプチが、働き甲斐を持っている”観光業”がその犠牲となりました。協会に属する職員は、半年交代でみんな転勤させられる事になったんです。
私が再起を期して戻ってきた1ヶ月後、プチは出発していきました。
さすがに、私には毎週会いに行くような稼ぎも体力もなく、月に一度青森→東京間を行き来し、プチも2ヶ月に1度連休をもらい、戻ってきました。
浜松町で「またね!またね!また来るからね!」と泣きながら、また会うのを約束していたんです。

どんな時も、お互いを尊重して、お互いをカバーしてこれた自負がありました。


プチの仕事は、永久雇用ではなく、8年間という期間雇用です。
いくら残りたくても、時期がくると辞めなきゃいけない。インフォメーションガールみたいな事もしなきゃなんないから、若い内でないとできない仕事だから仕方ないんだろうけど、「地元が大好き」なプチは、そんな状況でも精一杯やりがいを持ってがんばってた。

私が入院したり、なんだかんだあってやっと落ち着いた頃、2人に爆弾が降ってきました。。
”観光・文化立県宣言”の一環として、「5年間、他県へPR要員を派遣する」としたはずが、延長決定。
理由は、県の観光収入が向上した事で、これを継続させていこうともの。県だって、企業と変わらないよ。売り上げがないと、発展もなにもないんだから。

上から下へ派遣されていったものの、延長により、2巡目突入。
当然の如く、プチの同僚はなんくせつけて拒否します。「地元が好き!」と選んだ仕事が、”転勤あり”に変わった事で、辞める者も出てきます。そんなものでしょう。
オラも、”プチは拒否する”と勝手に思ってました。

でも、プチはプチで色々な事を悩んでたわけ。
          ”あたしが行かないと、下の子が犠牲になる”
          ”あたしが行かないと、上司は責任をとらなきゃいけない”
          ”親に言ったら、「仕事だから、行くのが当たり前」という”
A型を代表するような、考え方ですね。
はい。プチは、優柔不断で思慮深い、思いっきりA型ですから。


悩み抜いたプチが答えを出したのは、11月26日。・・・ 半年間の派遣に了承 ・・・

プチにそれを告げられたオラは「はぁ?何言っちゃってるわけ?」とキレました。
「行かない」と思ってたからね。「行くわけがない」って。
          1年も遠距離して、まだ足りないわけ?
          オラに相談にきたのはなんだったわけ?
          そんなに仕事に生きたいわけ?
          それって、結婚しないって事だよね?
オラにはその決断の意味が理解できませんでした。

毎日のように、プチは説得にきます。いや、しばらく会えなくなるから、今の内に会っておこうって感じかも知れません。納得のいく答えもなく、中途半端な考えにもムカつき、門前払いも数回しました。
時にプチは「行きたくない」と泣いたりします。なら、行かなきゃいいじゃん。
なんで、周りの体裁だけで半年も行くわけ?あんたって、ガキの使い?
「いじめてる」という感覚はオラにはありません。ただ、そんな生半可な考えで決断した事が気に入らないんです。

時間だけが刻々と過ぎ、お互いの考えがまったくわからない毎日。それでも毎日プチは説得にきます。
キレられても、ときには訴えられるような事をされても、来るんです。
その懸命は態度を前に、いくらなんでも毎日罵声を浴びせるのも気が引けます。
私は偽善者です。弱い子なんです。結局、折れちゃいました。

それからは、今後について2人で話す事になります。

          電話やメールは当たり前だし、会いに行くのも当たり前。
          酒や食い物はこっちから送るから、珍しいもの見つけたらなんか送れ。
          ただ、せっかくだから、なんか2人で始めよう。
          いつでもお互いがわかるように、HPを2人で作ろう。
          結婚式でも使えるようにできれば、最高だね。
          いつでもお互いがわかるように、ペアリングなんかしちゃおう。
          半年間いつも一緒だってわかるように。

正直、オラ自身はまだ納得してません。ただ、彼女を応援するのは、彼氏の務めだと思います。
いいじゃん。ちょっとくらい格好つけたって。それがダサいというなら、笑ってもいいよ。
でも、笑ったらそれ覚えててね。いつか、自分が自分に笑われてる事がわかるから。

プチは、オラなんかより青森が大好きです。こと、地元の弘前でいうなら、プチは最高だと思ってます。
”地元が大好きだからこそ、他の人にPRしたい。1人でも観光に来てもらえたら嬉しい”
プチがいつも言います。オラもこの仕事がプチの天職だと思います。
2年後、プチは期間満了のため、嫌でも会社を辞めなきゃなりません。
好きで始めた仕事を中途半端な形で終わりたくないって気持ちは、私なりにもわかります。
結婚しても、それをひきづってるんじゃ、未来の旦那としてはツライです。

だからね、もう応援する事にしたんだ。

誰よりもプチを応援してやるんだ。

それは、オラにしかできない事だから。


誰よりもプチが大好きだから。



今日もこちらは雪です。
山も川もすっかり雪で埋もれてます。
年の瀬で町は忙しそうに動いてますが、オラは部屋でこんなテキストを書いてます。
酒の力を借りて、現実逃避しようという計画も無駄に終わり、今やっと気持ちが切り替えられました。

今日12月30日、夕方にプチは出発します。
「年は家族で越すものだ」と、プチの父が強引に車でいく事を決めました。
普通ありえないって。車で7時間は軽くかかるのに。
少しでもさみしさを紛らわそうとしたんでしょう。プチの父の優しさが伝わります。ありがとう、お義父さん。

そして、閲覧者の方々、プチが出発直前に10000HIT’Sしてくれてありがとう。
旅立つプチに最高の贈り物ができました。
ありがとう。本当にありがとう。

2004年は、最後にとてつもない試練を置いていきました。
2005年は、それに打ち勝つ強さを身に付けたいと思います。
今後とも、ご迷惑をおかけするかと思いますが、仲良くしてください。

宜しくお願い申し上げます。